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検定合格ガイド

「知的財産検定1級対策公認セミナー」講師陣による1級検定合格ガイド

上山浩先生第2回 日比谷パーク法律事務所 上山浩先生
(契約・係争実務担当)


 合格のハードルが高いといわれている知財検定1級試験ですが,どんな能力が要求され,合格に向けてどんな勉強を心がけたらよいのか。「1級対策公認セミナー」で講師(契約・係争実務)を務める日比谷パーク法律事務所 上山浩先生に,検定の活用法,学習のポイントや参考書,過去の試験問題の傾向や対応の仕方などについて聞きました。


知財検定1級で要求されているもの
 知財検定1級と2級の違いはどこにあるのでしょうか。2級の場合は,知財に関する一般的な知識があり,日常の業務の中で知財に関連する問題を発見する能力があるかどうかが問われますが,1級ではそうして発見した問題や日常の知財関連業務に関して自分の判断で問題解決ができ,業務が遂行できる能力が問われます。
 例えば,ある製品が特許の請求項に照らして,特許権を侵害しているのかどうかが問題となるような場合,そこで何が問題になっており,それぞれが置かれた状況の中で,どのように問題に対処したら良いか,選択肢を提示したり,それに対する自分なりの意見が言えることが1級の能力には求められます。
 知財に関する知識を持っていることは大前提,その知識を身についたものとして実務上で使いこなせるかどうかが問われます。2級の場合は,啓蒙書や教科書的な知識をしっかり勉強すれば,合格できましたが,1級の場合は,明細書を書いたり,契約の締結を担当するなど,実務レベルの経験もある程度は必要となるでしょう。教科書的な知識を得るだけでなく,知財分野の判例などにも気を配り,素材となる事実をもとに自分なりの考えを組み立てる訓練をしていることが重要となります。

実務上の課題を意識した問題が出る
 契約・係争実務の分野では,過去の出題では,「特許ライセンス契約」「共同開発研究契約」に関連した問題が比較的多く出題されているようです。4つの選択肢の中から正答を1つ選ぶという形式の選択問題です。ただ,180分間で60問に答えなくてはならないので,時間配分などが重要となります。そのためには,長い文章で自分の知らない分野の問題であったら,後回しにして,早くできる問題から取り掛かるといったメリハリのある対応も必要になるでしょう。

 契約に関する実務を企業内で担当しているのは,ごく限られた人になりますが,契約の知識面については,契約書を書いたことがなくても,参考書を読み込むなどして,正確な法律知識を持っていれば対応はできるはずです。
 しかし,知識を詰め込むだけでは不充分で実務上の問題を意識する必要があります。自分が実務担当者だったら,あるいは,その上のマネージャーだったら何が問題になるかということを常に意識して参考書を読む必要があるでしょう。問題意識を持たずに漫然と契約書を作ると,後になって大失敗することがありますが,契約関連の1級の検定問題では,そうした見逃し易い実務上のポイントなどが重点的に問われます。

 係争関連の問題については,実際のケースを想定して,頭の中でシミュレーションを繰り返す訓練が重要です。 例えば,ある製品が自社の特許権を侵害していると仮定して,その製品と取得された権利を検討して,その後の展開をシミュレーションするのです。相手方に警告書を送るにしても,製造販売を中止させるのが目的か,それとも相手方から特許ライセンス料をとりたいのかによって警告書の書き方1つとっても変わってきます。 また,物事の進展には定石というものがあります。長年の積み重ねの中で,それぞれの局面で最も妥当性があり,成功確率の高い選択肢というものが存在していて,実務上はこうした定石を心得ているかどうかが大変重要です。この点を意識して,私が担当している1級対策公認セミナーでは,具体的な判例など係争事例をもとにステップごとの判断ポイントについて解説していますが,奇手よりも定石,王道が重要と受講生の皆さんにはいつも言っています。

 大企業などの知財部などでは分業化が進んでおり,知財業務を担当していても契約や係争実務に関わったことがないという方が多いのではないかと思います。実務経験はあったほうがベターですが,検定試験は,法律的な正確な知識があれば解けない問題ではありません。試験である以上,合格することが目標になりますが,知財検定を受けることを機に知識を整理し,他の分野の事例,文献,論文なども当たって見る。知見を広げるということだけでも勉強する意味があると思います。


推薦参考書,書籍

「注解特許法」
(中山信弘/編著 青林書院)

「知的財産 管理 & 戦略ハンドブック」
(杉光一成,加藤浩一郎/編著 発明協会)
「注解特許法」画像


上山 浩先生 プロフィール
日比谷パーク法律事務所 弁護士,弁理士。
京都大学理学部(素粒子論専攻)卒業後,富士通,野村総合研究所に勤務。
2000年に弁護士・弁理士登録。特許侵害訴訟,不正競争防止法事件等の知的財産権関係訴訟を主に扱い現在に至る。史上最高額の損害賠償額を認容した「パチスロ事件」,「 マイクロソフト「WORD」特許侵害事件」 など著名事件を多数手掛ける。