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検定合格ガイド

「知的財産検定1級対策公認セミナー」講師陣による1級検定合格ガイド

涌井謙一先生第1回 鈴木正次特許事務所 涌井謙一先生
(国内出願実務担当)


 合格のハードルが高いといわれている知財検定1級試験ですが,どんな能力が要求され,合格に向けてどんな勉強を心がけたらよいのか。「1級対策公認セミナー」で講師(国内出願実務)を務める鈴木正次特許事務所 涌井謙一先生に学習のポイント,過去の試験問題の傾向や対応の仕方などについて聞きました。


知財検定1級に要求されているもの
 国内出願実務についていえば,知財検定1級に求められるのは,ずばり,知財に関する幅広い知識と実務能力といってよいでしょう。
 知財検定2級では,知財分野の基礎知識があり,問われている問題において,特許法,実用新案法,意匠法,商標法,不正競争防止法,著作権法上の問題の所在はどこか,これを把握できる能力を有していることが大切でした。
 1級に合格するには,こうして発見した問題へ適切に対処し,解決していく能力が求められます。例えば,特許出願の審査で拒絶理由通知を受けた時を想定し,明細書・特許請求の範囲・拒絶理由通知の文面,等々を問題文で具体的に例示しながら,「この具体的な事例の場合に,引用文献記載の発明,本願の明細書に記載されている発明,拒絶理由の内容を考慮して,意見書でどのような主張を行い,どのように特許請求する発明を補正するか?」,「その際,自社の実施動向,同業他社の実施動向を考慮するとどのようになるか?」,「補正できる範囲は?」,「最初の拒絶理由通知・最後の拒絶理由通知を考慮した補正ならばどうなるか?」,「意見書を提出できる期限は?」,「補正書を提出できる期限は?」等々,様々な角度から,様々なことが問われます。そして,これらに対して,幅広い知識を前提に最適解を探し出していく能力が問われます。
 一般には公開されていませんが公認セミナーを行うにあたって,検定主催者である知的財産教育協会から公認セミナーの基礎資料として提供された1級合格者と準1級合格者の正答率を比較してみますと,法律論的に解ける問題ではそれほど大きな差はないようですが,実務能力が問われる問題で大きな差がついているようです。
 実務能力が重要といいましたが,ある程度の規模を持つ企業の知財業務では分業化が進み,一人ですべての業務に精通しているということは近頃ではあまり多くないのかもしれません。しかし,1級試験では,知財に関わるすべての領域が総合的に問われると考えてください。したがって,1級に合格するためには,相応の準備が不可欠です。

審査基準に関わる問題が数多く出題
 国内出願実務の分野で,過去,知財検定1級の問題として出題された中には,「審査基準」に関する問題が多く見られるようです。「特許法上の発明,産業上利用できる発明とは何か?」,「特許取得に必要な新規性や進歩性をどのように判断するのか?」,「特許請求の範囲の記載,より適切な発明の表現,明細書の記載要件に関すること,補正はどこまで許されるか?」,といった,「審査基準」に関わる問題です。
 これらは審査の基準について問うわけですから,明確な根拠が必要となり,曖昧な問題が出題されることはないと思います。そこで,重要になってくるのが特許庁の公表している「審査基準」であり,この「審査基準」の中に例示されている「事例」です。「審査基準」と,審査基準で説明されている「事例」を良く読んでみることは有効な勉強法になるでしょう。もちろん,特許庁が紹介している「事例」がそっくりそのまま問題として出題されることはないでしょうが,それを応用した問題が出題されると考えられるので,チェックしておく必要があります。
 「審査基準」は全部でA4,400ページにも及ぶ分量があり,紹介されている「事例」も多数あります。頭から読んで全部理解するのは簡単ではありません。そこで,私が担当している知財検定1級対策公認セミナーでは,各章ごとに「審査基準」の中で重要と思われるポイントや事例をピックアップして解説を加えるようにしています。

 前回の1級検定試験では,国内出願実務の問題は,全60問のうち3分の1程度出題されていたようです。試験時間は180分で,問題の分量が,A4で約60ページ程度あったようです。問題文の分量が多いので,試験では時間内に問題を読んで,問われている内容を正しく理解するのが大変と思います。時間が足りないという声もよく聞かれるようです。出題の意図を迅速かつ的確につかんで解答することが不可欠です。そのためにも日頃から「審査基準」,審査基準に紹介されている「事例」などに目を通し,自分なりにポイントを整理しておくことを薦めます。


涌井謙一先生 プロフィール
弁理士。鈴木正次特許事務所 所長。
専門分野は,半導体工学,薄膜作成技術,繊維機械,情報処理,ソフトウェア工学,外国。
主な著書に「弁理士が教えるビジネスモデル特許の本当の知識 21世紀バージョン」 日本弁理士会研修所・実務総合研究部編著(東京書籍・刊),「知的財産管理&戦略ハンドブック」IP法務研究所著(発明協会・刊)がある。