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金沢工業大学大学院・知的創造システム専攻

【OB・OGインタビュー】
三菱電器・清水克則さん
[2005/10/31]


三菱電機・清水克則さん
三菱電機・清水克則さん
 現在,三菱電機に勤務し,携帯電話の技術ライセンス交渉の最前線で活躍する清水克則さん。法務部から知的財産渉外部へ異動して1年経った昨年の春,技術の側面から知的財産を学び実務に生かそうと,金沢工業大学大学院 知的創造システム専攻に入学した。清水さんに,入学した背景と,社会人大学院で過ごした1年間の印象について話を伺った。

技術の側面から知財を極めて,将来は海外で活躍
 当社では,知財分野の担当部署として,「知的財産センター」と「知的財産渉外部」がある。前者では発明の権利化が,後者では権利化した技術について他社とライセンス交渉を進めることが,主な業務となる。
 私は法務部に5年間在籍していたが,知財に関心を持ったキッカケは,将来のキャリア・パスとして海外での駐在を考えていたことだった。駐在担当者には語学力はもちろん,法務と知財の双方をカバーする広い知識と経験が必要だったからである。

 その後,知的財産渉外部へ異動し,現在は主に携帯電話事業のライセンス交渉を担当している。会社の代表としてライセンス交渉を進め,契約をまとめ上げる業務はこの仕事の醍醐味である。異動した当初は,実務で交わされる専門用語の理解に苦労した。交渉時には,権利化からライセンスまで業務全般をカバーしている担当者や,技術に精通したエンジニア出身者と対峙するケースも多く,知財実務では法律と技術の双方の専門知識が必要であると痛感した。
 そこで,技術の側面から知財を極めて,将来のキャリア・パスにつなげようと,当時工科系で唯一知財コースを設置し,教育面で定評のある金沢工業大学大学院 知的創造システム専攻へ進学することを考えた。
 入試出願前には大学院主催の説明会や入試相談会へ積極的に参加し,大学院の学習方針やカリキュラムなどについて複数の専任教授と相談し,情報を収集した。また,会社の上司にも事前に相談したところ,「知財分野で講師をできる人材が希少である中,教授陣の層の厚さは,学ぶ環境としては良い」,実務家の立場からも納得してもらえた。

「特許実務特論」は,リアルタイムで実務に役立った

 数ある履修科目の中でも,特に印象深い講義は,「特許実務特論」である。
 「特許実務特論」は,実際にクレーム・ドラフティングをして,拒絶理由通知の対応などを演習する講義だった。特に,私にとって,実務では経験しない特許実務を,講義を通じて一通り経験できたことは,実務の場においても非常に大きかった。ちょうど同講義を履修していた時期と並行して,会社で携帯電話に関連する技術のパテントプール設立に携わっていた。例えば,パテントプールに対して特許の評価を申請する場合に,どういう書類の提出を要求するかというルールについての議論をしたことがあったが,講義で学んだ出願実務を知らなかったら,まったく見当もつかなかったであろう。大学院で学ぶ前は,特許公報すらろくに読んだこともなかったほどである。
 在学中に身に付けた,知財に関わる様々な法律知識や技術知識によって,社内の出願部門とのコミュニケーションが深まり,実務に対して積極的に取り組むようになった。
 エンジニア部門から知財部門への異動者を対象とした社内研修で,特許関連の契約講座の講師を担当する機会もあり,卒業後の現在でも,講義テキストやノートを見返す機会がある。

教授はもちろん,学生から学ぶことも多い社会人大学院
 社会人大学院では,教授はもちろん,学生から学ぶ機会が非常に多い。メーカの知財部門という同じ立場の学生同士で刺激し合うことがあるが,さらに,会社が1つできてしまうくらい,若手からベテランまで様々なキャリアを持つ専門性の高い人材が集い,それぞれの専門分野で各学生が講師となりうる場である。土曜日の講義の後などは,学生同士でよく飲みに行くなど,学外でも交流を図る機会は多かった。卒業後の現在でも,同期生とはしばしば連絡を取り合っている。
 私は,今年で社会人10年目の節目を迎えるが,企業人として仕事をしていると,年数とともに専門性が高まる一方,逆に気づかないうちに視野が狭まってしまう部分もある。しかし,大学院で過ごしたこの1年間,多くの人と出会い,学習のために多くの書籍を読破したことで,当初技術の側面から極めようとした知財だけではなく,社会全般への視野が広がったと実感している。
 1年間取り組んだ自己ポートフォリオの作成も,単なる学習の記録では留まらない。ポートフォリオの作成を通じ学んだことは,漫然と講義を受け課題をこなしているだけでは見過ごしてしまいがちな,小さな「気づき」がたくさんあることである。小さな「気づき」を意識的に拾い上げ,着実に自分の中に蓄積していく。この習慣は,自身の能力を高めていく上で現在でも貴重な経験になっている。

 ※  「知財管理」(日本知的財産協会)2005年11月号に,清水さんの手掛けたパテントプールに関する論文が掲載される予定です。



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