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提供:日経BP知財Awareness

知財立国に向けて法制度は整った
企業は如何に活用できるかにかかっている

森・濱田松本法律事務所
弁護士 末吉 亙氏インタビュー(上)

[2004/05/18]

 「日本では,知財立国に向けた司法制度の改革が進んでいる。今後は,この制度を企業が活用して,知財立国を現実のものとしていくフェーズである」。日本弁護士連合会(日弁連)の知的財産政策推進本部事務局次長を務めるなど,知財関連弁護士の第一人者である末吉 亙氏は,このように指摘する。知財立国に向けた司法制度と企業の現状,進むべき方向性などを聞いた。
(聞き手は長廣恭明=日経BP知財Awareness副編集長)

末吉 亙氏
末吉 亙(すえよし・わたる)氏
森・濱田松本法律事務所パートナー。1975年駒場東邦高等学校卒業,1981年東京大学法学部卒業,1983年弁護士登録,第二東京弁護士会所属。日本弁護士連合会(日弁連)の知的財産政策推進本部事務局次長を務めるなど,知財関連弁護士の第一人者である。主な著書・論文は,『商標法』,「高度情報化社会と法律実務」,「バイオ法研究と検討課題」,「『知的財産戦略大綱』と今後の課題」など。
必ずしも実用的ではなかった従来の司法制度
知財立国に向けた司法制度の改革が急速に進んでいます。
 この通常国会をメドに知財立国に向けた司法制度改革はほぼ完了する。これによって,グローバル・スタンダードに則った,企業が使いやすい司法制度になったといえる。今後は,この司法制度を土俵として,企業が自由に競争していくことになる。すなわち,今回の司法制度をうまく活用した企業が競争を勝ち抜いていくだろう。
 従来の司法制度では,企業が訴訟を起こすと,裁判の過程で営業秘密という知的財産を公開する必要に迫られる場合があった。訴訟において訴訟記録を閲覧した第三者に営業秘密が漏れないように訴訟記録閲覧制限をかけることはできるが,第三者による閲覧を禁止できても訴訟の相手方には営業秘密が漏れてしまうとの問題があった。このため,企業は訴訟を避けて話し合いで済ませなければならないケースが多かった。企業にとって「営業秘密漏洩対策が完備している」という状況にならないと,訴訟には踏み切りにくかったのである。このようなかつての状況はビジネスの実態から乖離しており,知財訴訟は「絵に描いた餅だった」と言わざるを得ない。
 これに対し,今回の司法改革では裁判の過程で開示される営業秘密に関しては裁判所が秘密保持命令を出して秘密漏洩を防止し,これに違反すると刑事罰を受ける仕組みにしている。これにより,企業は安心して知財訴訟に臨むことができるようになる。訴訟審理も充実して,本当の実力勝負になる。裁判所は,運用実績を示して,このような法制度の実効性を証明していくことだろう。企業が今回の制度をうまく利用すれば知財訴訟で有利になり,さらに,話し合い段階における知的財産を持つ側の立場も改善できる。このような流れが広がれば,知財収入増加による開発型企業の隆盛という好循環が生まれる可能性が高い。